知っていますか?リードの役割と書き方

ずばり「良いライティング」とは何でしょうか?
内容の良さ、読みやすさ、伝わりやすさ…など、いろいろな要素があると思います。
ここでは、編集者の視点から見た「良いライティング」を、実際にライターが書いた原稿を添削しながら解説していきます。

第1回は、リード(導入文)について考えてみます。

【目次】

 
 

そもそも、「リード(導入文)」って何?

リードとは、タイトルと本文の間に配置される「前文」のこと。「導入文」とよばれることもあります。
本文の分量に比べると圧倒的に短いパーツですが、後に続く本文の内容がすんなり読み手の頭に入っていくように準備を整えてくれる大切なものなのです。

Webライターならその重要性については身をもって知っているはず。
というのも、リードのクオリティが低く読み手の共感を得られなければ、せっかくそのページにアクセスしてくれたユーザーも、本文を読む前に離脱(他サイトへ移動)してしまうからです。
これでは、サイト運営者がSEOにどんなに時間と労力とお金をかけたとしても、すべてが無駄になってしまうといえます。

読み手の気持ちをガッチリ掴み、ページの最後までスクロールしもらえるようなクオリティの高いリードを目指しましょう。
理想は「自分向けの記事ではないはずなのに、ついつい続きが読みたくなって最後まで読んでしまった」というハプニングさえ起こしてしまえるようなリードです。
 
 

「リード(導入文)」の役割

うまいリードの書き方を解説する前に、リードの役割について考えてみましょう。
リードには、主に以下の2つの役割があるといえます。

 

  • 1. ターゲットの注意を引きつけ、興味を持たせる
  • 2. 本文でこれから述べる内容の概要を伝える

 

まずは、その記事の読み手として想定されたターゲットの注意を引きつけ、共感を得る必要があります。
ターゲットの注意を引く役割の中心は、タイトルやキャッチコピー、メインビジュアルが担いますが、ここで軽く掴んだ読み手の気持ちをしっかりつないで、続く本文を読もうという気にさせるのがリードの役目です。

ターゲットに「読んだら得をしそう」「読んだら悩みが解決しそう」「誰かに話したら話題になりそう」といった期待を抱かせるのが肝です。

共感を得るためには、ターゲットが日ごろ考えていそうなこと、困っていそうなことを書いて同調させます。
ポイントは、想像で書くのではなくリサーチしたうえで書くこと。
お悩み相談系のメディアにキーワードを入れると簡単にターゲットの悩みにリーチできますので、良いリードを書きたければこんなところで手を抜かないようにしましょう。

そして、ターゲットがその記事を読んだらどんな情報・メリットが得られるかを書きます。シンプルにその記事の概要を書けば良いのですが、「いますぐにこの記事を読まないと」と思わせることで、離脱を防ぐことができます。
たとえば、次のようなことが伝わるように意識してみてください。

【例】
・ほかのサイトでは得られない価値のある情報が載っている
→独自性の高さ、信ぴょう性の高さ

・最近わかったばかりの新情報が載っている
→ユーザーが他人よりも早くチェックすることで優位に立てる

・読むのに時間がかからないこと、内容が難しくなくすぐに理解できるものであること
→離脱しづらくなります
 
 

良いリードの例

それでは、ここからは実践編として、良いリードの例を見てみましょう。

【良いリードの例】

中古マンションや一戸建ての中身を全て取っ払って、新しい空間を作るリノベーション。
人生に何度もあることじゃないので、自分が納得いく部屋を作りたいですよね。

ですが、自分で全部探そうと思ったら「物件を探して」「リノベーションの施工業者を探して」「銀行とローンの話をして」と様々な人と調整をしないといけません。

しかし、物件の購入からリノベーション・ローンの相談まで一本化してくれている企業であれば、そんな手間は必要ないんです!

今回はそんな物件購入から一本化しているなかでも、より自分の部屋をイメージしながら打ち合わせをしやすい、おすすめ企業をランキングにしました。

これは、マンションのリノベーションに関するメディア「リピタ」の「リノベーション会社ランキング」ページのリードです。
おそらく、このページを訪れたユーザーは「マンション リノベーション」「リノベーション 施工会社」といったキーワードで検索したと考えられます。

一文目:中古マンションや一戸建ての中身を全て取っ払って、新しい空間を作るリノベーション。
→このページがリノベーションについて書かれていることがわかります。

二文目:人生に何度もあることじゃないので、自分が納得いく部屋を作りたいですよね。
→ここで「リノベーションで失敗したくない」という読み手の心理とクロスします。

三文目:ですが、自分で全部探そうと思ったら「物件を探して」「リノベーションの施工業者を探して」「銀行とローンの話をして」と様々な人と調整をしないといけません。
→読み手が不安に感じていることをあぶり出しています。
それまで、そういった課題に気づいていなかった層への気づきを与える役割もあります。

四文目:ですが、自分で全部探そうと思ったら「物件を探して」「リノベーションの施工業者を探して」「銀行とローンの話をして」と様々な人と調整をしないといけません。
→三文目であおった不安に対し、「この記事を読めば解消できるのではないか?」という期待感を持たせて読み手を引きつけます。

最後の一文で、続く本文に書かれている概要を説明しています。
「おすすめ」「ランキング」というキャッチーな単語がターゲットを後押ししています。

リードを書くことに慣れていない人は、このリードの型をお手本として書いていくと良いでしょう。
 
 

悪いリードの例と添削例

では、逆に良くないリードとはどんなものでしょう?
実際に例を挙げながら、どこがどうして悪いのかを具体的に指摘しつつ修正例もご紹介します。

【悪いリードの例】

女性にとって毎月訪れる生理は憂鬱なものです。人によって生理の症状は異なりますが、お腹が痛い日が続いたり気分の上がり下がりが激しかったりなどと、1週間が長く感じます。

その生理の時に口臭が気になったことはありませんか?気のせいかもと思っていた生理の時の口臭、ちゃんと理由があったのです。その理由を知っておくと、生理と口臭にはちゃんと関係があることも理解できます。

そして、生理の時の口臭をどのように対処すれば良いのかという対策も知っておくと活用できます。いくつか対策があるので、生理の時にぜひ実践してみてください。

これは、「生理 口臭」という検索キーワードを狙った記事のリードです。

まず、このキーワードで検索するユーザーのニーズを考えてみる必要があります。
すると、生理のときに口臭が強くなることを実感している女性が持つ
「私のほかにも、生理中の口臭が気になっている人はいる?」
「そもそも、生理と口臭の強さに関連性はあるの?」
「あるとすれば、それはどうしてなの?どうすれば口臭をなくせるの?」
といった疑問を解決するために情報を探していることが想定できます。

ユーザーの共感を得て本文以下を見てもらうためには、

  • ①生理中の口臭が気になっている女性は多いこと
  • ②生理周期と口臭の強弱には相関性があること
  • ③この先を読めば、生理にともなう口臭悪化のメカニズムがわかり、さらに、口臭の予防法もわかること

の3点をリード内に盛り込む必要があります。

ここで、添削前のリードを見てみましょう。

女性にとって毎月訪れる生理は憂鬱なものです。人によって生理の症状は異なりますが、お腹が痛い日が続いたり気分の上がり下がりが激しかったりなどと、1週間が長く感じます。

この部分では、「女性にとって生理がいかに憂鬱なものか」ということが書かれています。
確かに、生理中の口臭を気にしている人にとっては、生理が憂鬱なはずなので、共感を得るという意味では、決して的外れではありません。
ただ、「生理が憂鬱」というかなり広い枠組で書かれているので、ユーザーは「この先を読んだら生理に関する何かの情報が得られるんだろうな」くらいの予想しかつきません。

また、「生理が憂鬱」という主張は、常識ともいえるので、ユーザーにとっては新鮮味がなく、フックの役割も果たしていません。
したがって、この部分は不要です。

その生理の時に口臭が気になったことはありませんか?気のせいかもと思っていた生理の時の口臭、ちゃんと理由があったのです。その理由を知っておくと、生理と口臭にはちゃんと関係があることも理解できます。

内容としては、「生理中の口臭が気になったことはないか?」というユーザーに対する問いかけ(フック)と、「生理と口臭には相関性がある」ということが書かれているので、リードの役割に合致しています。
ただ、より伝わりやすくするためには細かい部分の修正が必要です。

1文目:その生理の時に口臭が気になったことはありませんか?
→一般的な生理の話をしているので「その」は不要です。

2文目:気のせいかもと思っていた生理の時の口臭、ちゃんと理由があったのです。
→ここで突然「気のせいかも」という表現が出てきますが、1文目と2文目の間に「生理中に口臭がひどくなると感じているけど、気のせいなのかもしれない」と感じているユーザーの思いを代弁するような1文が必要です。
また、細かい点ですが、1文のなかに「気のせいかも(しれない)」「口臭(には)、」と2ヵ所の省略が入っているため、くだけすぎている印象を受けます。少なくともどちらか片方は略さずに書いた方が良いでしょう。

3文目:その理由を知っておくと、生理と口臭にはちゃんと関係があることも理解できます。
→すでに、2文目で「生理と口臭には相関性がある」ということを書いているので、内容が重複します。
もっというと、「その理由を知っておくと、」と「生理と口臭にはちゃんと関係があることも理解できます。」も意味が重複してしまっているので、文章として成り立っていません。
「その理由を知っておくと、」に続けるなら、「生理中の口臭を予防したり抑えたりすることもできます。」とすると良いでしょう。

最後の部分をみてみましょう。

そして、生理の時の口臭をどのように対処すれば良いのかという対策も知っておくと活用できます。いくつか対策があるので、生理の時にぜひ実践してみてください。

おそらく、「生理中の口臭対策にはいくつかの方法がある」ということが言いたかったのだと思います。しかし、冗長で伝わりづらい文章になっているので整理する必要があります。
さらに、本文以下を読み進めてもらうにはこれだけだとリードとしては弱いです。たとえば、これから紹介する方法がいかに効果的なのか?ということ、こんなに簡単にできる!こんなに短時間で実践できる!といった訴求ポイントを出す必要があります。

以上をふまえて修正したものが下のリードです。

【添削後】

「生理が始まると、なんだか口臭が強くなるみたい…これって、気のせい!?」

そんなふうに感じている女性は意外と多いようです。
なかには、隣のデスクの女性の生理周期が口臭でわかるという人もいるとか。

実は、生理と口臭には密接な関係があるんです。
そのメカニズムがわかれば、口臭を予防したり軽減することもできますよね。

ここでは、生理中に口臭がひどくなる理由と、その対処法をご紹介します。
どの家庭にも必ず置いている日用品を使ってすぐに実践できる効果の高い方法ばかりなので、生理中の口臭に悩んでいる方はぜひ試してみてください。

 

良いリードの書き方

これで、リードの良し悪しを見る目は養えたはずなので、実際にリードを書いてみましょう。
具体的な手順の一例を以下に挙げるので、参考にしてください。

  • 1. キーワードの選定(または確認)
  • 2. リサーチ
  • 3. 書く
  • 4. 推敲する

それぞれについて、詳しく説明していきます。

1. キーワードの選定(または確認)

SEO対策用に書かれる記事を依頼されるケースも多いと思うので、あらかじめクライアントからキーワードが指定されている場合は、そのキーワードを確認します。
特に指定を受けていない場合は、その記事の主旨から逆算して、どんなキーワードで検索されそうかを考え、1~2点ほどのワードをピックアップしましょう。

キーワードが挙がったら、ユーザーがそのページを訪れるまでの手順をさらに逆算して考えてみます。

ユーザーがその記事の掲載ページをひらき、リードを読む

検索結果の一覧表示されたなかからその記事(タイトル)を選んでクリック

その情報が得られそうなキーワードを選んで検索窓に入力・検索する

ユーザーが欲しい情報がある

リード内にキーワードを入れ込むことよりも、そのキーワードで検索してきたユーザーを惹きつけるリードを書くことを意識することが大切です。
ユーザーがどんな情報を求めてそのキーワードを選んだかについては、次の「2.リサーチ」でお伝えします。

2. リサーチ

ユーザーに求められるリードや本文を作るためにはユーザーの目線に立つ必要があり、そのためにはターゲットのリサーチは欠かせません。
ターゲットが普段何を考えていてどんなことに悩み、どんな状況でその記事を読んでいるか?を把握したうえで、リードに盛り込むべき要素を決めましょう。

あらかじめ、クライアント側からペルソナが設定されている場合は、それを外さないことは大前提です。
クライアント側からの指示がない場合も、コンテンツの目的やねらい、どんなターゲット層に届けたいのかなどを、可能な限り聞き出してからライティングに取りかかった方が良いです。

3. 書く

上記と「リード(導入文)」の役割を踏まえて実際に書いていきます。
Webライティング初心者など、リードを書きなれていない人は、良いリードの例で紹介した例文をお手本に、同じ形式をまねて書くことをおすすめします。
なかなかスムーズに書けなかったり煮詰まってしまったというときは、類似記事を探してリードを読み、参考にするのも良いでしょう。
日ごろから「このリード、いいな」と思うものをストックして、なぜいいのか、どこがいいのかを分析しておくことも大切です。

4. 推敲する

書き終えたら、通常の文章校正に加え、リードとしてのクオリティを高めるために推敲していきます。
自身が書いたものに対して客観的になるのはなかなか難しいこと。
最初のうちは、1日寝かせるなどして、記憶が薄れた頃に見直すと良いです。これも慣れなので、だんだん時間をおかずとも客観的にチェックできるようになってきます。

コツは、批判的な視線を持つこと。
自分で書いたものに対して、隙がないかどうかを厳しくチェックして突っ込みを入れていきます。

【例】

  • ターゲットが共感できるフレーズは含まれているか?
  • 意外性、新鮮味があるか?(フックがあるか?)
  • ターゲットにとって、あたりまえのこと、わかりきったことをわざわざ書いてうんざりさせていないか?
  • リード全体の流れが強引すぎないか?無理はないか?

推敲が終わればリードの完成です。
本文を書きあがったら、リードから本文へのつながりがスムーズか、リードと本文の内容が矛盾しないかなどもチェックしてください。
 
 

まとめ

たかがリード、されどリード。

これまでリードを軽視してきたライターさんには特に、ぜひこの機会にリードの重要性を認識していただきたいと思います。

良いリードの例でご紹介したレベルが書ければ80~90点です。
いつかは、冒頭でお伝えしたような「自分向けではないはずなのに、つい読み進めてしまう」ようなリードを書ける日を目指して頑張りましょう!

コメントは利用できません。