「接続詞をたくさん使えば論理的な文章になるハズ」と思っていませんか?

「良いライティング」について、現役編集者の視点から考えるコーナー。毎回、実際の添削例を交えながらわかりやすく解説していきます。

ライターさんから納品されてくる原稿をチェックしていて、接続詞の使い方が間違っているということはさすがにありませんが、たまに、多過ぎて「素人くさいな」と感じる原稿があります。

第2回は「接続詞をなるべく減らして読みやすい文章を書く」ことをテーマに解説したいと思います。

文章を読んでいてちょうど良いと感じられる接続詞の使用頻度は、個人の感覚によって変わってくるかと思います。
ただ、接続詞がまったくなくて違和感を覚えることはなくても、多すぎると気になるものです。
ここでは、「基本的に、接続詞はなるべく使わない。使うのはここぞという(強調したいなどの)ときだけ」という方針で進めたいと思います。
 

「この接続詞、本当にいる?」と、チェックする癖をつけよう!

前後の文章の関係をはっきりさせるためには便利な接続詞ですが、削除してしまっても十分に伝わることが多いものです。

削除するとわかりにくくなってしまう場合は、その接続詞の持つ役割(順接・逆説など)をすぐ前の文末に含めて2文をつなげてしまうとスッキリすることが多いです。
ただ、この方法は、1文が長くなってしまうというデメリットもありますので、使えるときと使えないときがあります。
そんなときは、文節を入れ替えたり前後の文を入れ替えたりするとうまくいくことがあるので、試してみてください。

それでもダメ!というときに初めて、接続詞がその場所に必要である可能性が高いと判断しましょう。

今回は、3パターンの添削例をご紹介します。
※わかりやすくするために、接続詞は太字で表示します。
 
 

【添削例1】なぜなら

「なぜ、~~なのでしょうか?」と読み手に問題定義する技法自体は、フックになるのでどんどん使ってほしいのですが、「なぜ・なぜなら」のセット使いが出てくると、なんとなく鼻につきませんか?
別の表現で言い換えられないか工夫してみましょう。

【添削前】

なぜ、建売住宅ディベロッパーは立地の良い場所を探し出すことができるのでしょうか?なぜなら、建売住宅ディベロッパーは、専門家として培ってきた「流通網」というネットワークを持っているからです。建売住宅ディベロッパーは、一般の人とは違って、仕事として土地を探すことに専念しています。そのため、広いネットワークや太いパイプを活用して、情報を得ることができるのです。

接続詞以外にも、冗長な部分を整理して修正したものが下です。

【添削後】

なぜ、建売住宅ディベロッパーは立地の良い場所を探し出すことができるのでしょうか?
彼らにとって、土地を探すことが仕事のひとつなので、そのなかで培った広くて太い「流通網」を持っています。そのネットワークを活用することで、土地の情報を得ているのです。

※国語の授業のようになってしまいますが、「なぜ」は副詞です。
 
 

【添削例2】しかし、つまり

どちらもよく見る接続詞ですが、かなり「堅い」イメージを受ける言葉です。
堅さを出したいときにあえて使うという選択はアリですが、多用すれば読みづらくなるので気をつけたいところですね。
 

しかし

冒頭で説明したように、削除するか「~ですが」のように前の文につなげることで対処できることが多いです。
 

つまり

「つまり」を言い換えるのはなかなか難しいので、文章で伝えたい内容についてよく考え、別の言い方がないか探してみてください。

「しかし」と「つまり」は同じの例文の中でまとめて説明します。

【添削前】

たとえば、駅前の立地の良い場所では、多くの分譲マンションを見かけると思います。

しかし、なぜ好立地な場所を確保することができるのでしょうか?
注文住宅の場合を考えると、まず土地を探さなくてはなりません。しかし、駅前のような立地のよい土地を探すのはとても難しいことです。なぜなら、好立地のところは既に建物が立ち並んでいるからです。仮に土地があったとしても、よほどのお金持ちでもない限り、立地の良い駅前の土地を購入することは難しいでしょう。駅から少し離れた郊外の土地を購入し、そこにマイホームを建築するというパターンが一般的ではないでしょうか。

つまり、分譲マンションの場合、狭い土地でも階層を高くすることでより多くの戸数を確保することができるので、不動産会社はこれらを販売することで高い地価代を吸収できるというわけです。

【添削後】

駅前の立地の良い場所では、多くの分譲マンションを見かけると思います。なぜ好立地な場所を確保することができるのでしょうか?

注文住宅の場合を考えてみましょう。注文住宅を建てる場合は、土地を探さなくてはなりません。しかし、駅前のような立地のよい土地を探すのはとても難しいもの。好立地のところは既に建物が立ち並んでいるからです。
仮に土地があったとしても、よほどのお金持ちでもない限り、立地の良い駅前の土地を購入することは難しいでしょう。駅から少し離れた郊外の土地を購入し、そこにマイホームを建築するというパターンが一般的ではないでしょうか。

一方、分譲マンションの場合は、狭い土地でも階層を高くすることでより多くの戸数を確保することができます。不動産会社は戸数を多く販売することで高い地価代を吸収できるのです。

「一方」を採用したのは多少反則的ですが、5つあった接続詞を1つにまで減らすことができました。
 
 

【添削例3】また

いくつかの内容を並べたいときの接続詞「また」ですが、何度も出てくると気になります。
同じ記事のなかで使うのは1回までにしたいところ。

以下は、住宅を建てる際には家事導線を意識して間取りを設計することをすすめる記事の一部です。
接続詞としては、「そのため」「そして」「また」「しかし」が全部で5つ含まれています。

【添削前】

家事動線を考える際は、目的別で考えると良いでしょう。
たとえば、例として「洗濯」で考えてみましょう。洗濯をするときの流れは、「洗濯機を回す→洗濯物を干す→乾いた選択物を取り込む→畳んで収納する」となります。

そのため、「洗濯機を置く場所」から「洗濯物を干すバルコニー」までは近い方がラクです。
そして、「洗濯物を干してあるバルコニー」から「洗濯物をしまう各居室」も近い方がラクでしょう。このように、「動線」を考えたうえで居室の配置を考えるといいのです。

また、「料理」でも考えてみましょう。
料理をするときの流れは、「食材の買い出しをする→食材をしまう→料理をする」となります。まず、買い物をしたあと、玄関から冷蔵庫やパントリー(食料庫)が遠いと、食材をしまうのが大変になってしまいます。

また、冷蔵庫はキッチンのそばにあることが多いものですが、一方で、パントリーはキッチンから少し離れていることがよくあります。しかし、料理をするという「家事動線」を考えると、パントリーとキッチンは近い方が楽なはずです。

「たとえば」「まず」は副詞です。「このように」は形容動詞ですが、接続詞っぽい単語なので、多くの接続詞のなかにあると、ちょっと気になります。

下のように直してみました。

【添削後】

家事動線を考える際は、目的別で考えると良いでしょう。
例として「洗濯」で考えてみましょう。洗濯をするときの流れは、「洗濯機を回す→洗濯物を干す→乾いた選択物を取り込む→畳んで収納する」となります。

たとえば、「洗濯機を置く場所」から「洗濯物を干すバルコニー」までは近い方がラクです。「洗濯物を干してあるバルコニー」から「洗濯物をしまう各居室」も、近い方がラクでしょう。このように、「動線」を考えたうえで居室の配置を考えるといいのです。

「料理」でも考えてみましょう。
料理をするときの流れは、「食材の買い出しをする→食材をしまう→料理をする」となります。買い物をしたあと、玄関から冷蔵庫やパントリー(食料庫)が遠いと、食材をしまうのが大変になってしまいますね。
冷蔵庫はキッチンのそばにあることが多いものですが、一方で、パントリーはキッチンから少し離れていることがよくあります。しかし、料理をするという「家事動線」を考えると、パントリーとキッチンは近い方が楽なはずです。

 
今回、「接続詞はなるべく使わない!」と、接続詞をまるで悪者のように扱ってしまいましたが、決して接続詞を使った文章が間違っていると言いたいわけではありません。
これをきっかけに、「商品としての日本語クオリティ」について考えてみてほしいという裏の(?)ねらいがありました。

プロのライターとして、日本語の間違った原稿を納品するなんてもってのほかですが、では、正しい日本語を使っていればそれで良いといえるでしょうか?

「商品価値=文章スキル」を上げて、稼ぎ続けられるライターを目指していきましょう。

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